お兄ちゃんが悪かった!

 高校生の頃、ちょっとしたイザコザがあって、俺、Y、O、Mの4人でM家近くの電話ボックスで話し合いをしていると、父親が登場。挨拶をしようとするまさにその時、突然怒鳴りだす。どうやら酩酊しているらしい。わけのわからないことを口走ってくる。
 あっけにとられていると、けんかっ早いYが「僕らの問題だから関係ないじゃないですか!」と日に油を注ぐような言葉を浴びせかける。
 「何をーっ!」と拳を握り威嚇する父親。Oもいつでも来いの構えを見せる。まさに一触即発。
 その時、「お兄ちゃんが悪かったー!」と叫びながら割って入ったのは偉人M。まだ強がる父親に対して、その台詞一点張りで必死に食い下がる。先ほどまでとは別の意味であっけに取られる我々。
 Mの懇願もあってなんとかその場をとりなす。どうやら父親は夕飯の途中で家を出て行ったことがムカついたらしい。何やねんそれ。
 この「お兄ちゃんが悪かったー!」はその後しばらくの間仲間内でブームになった。