都管理職試験訴訟最高裁判決

「国籍理由に受験拒否は合憲…都管理職試験訴訟で最高裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050126-00000011-yom-soci

今回問われた論点と所感をメモ
1.「国家の意思形成」を外国人がなしえるか
 憲法国民主権を謳っている以上、公権力の行使による責任の所在は最終的には国民(という概念)に帰着する。多分に形式論的ではあるが、日本国籍は必要ではないか。
また、他の国に外国人を公権力を行使する管理職級の公務員に登用しているという事例は、現在のところ聞こえてこない。国民国家という枠組みがある以上、当然とも思える。
2.「限定的な管理職登用」が可能か
 実際にはかなり難しいのではないか。というのは、業績が評価されればそれ相当の権力を持つポストにつくのが当然であり、限定的な登用では必ず不満がおこるだろう。また、自治体によってポストの態様は様々であり、裁判所見解による限定列挙は不可能。自治体の裁量に負うのが現実的である。
3.門戸開放は不可能か
 そうは思わない。確かに国や都道府県のような広範な範囲に権力が及ぶ組織では難しいかもしれないが、市町村レベルなら裁量の範囲も広いのではないか。「国民」より「住民」サービス色が強い職務を中心に門戸開放について議論が必要だ。
また、今回の判決では特別永住者は外国籍の者と地位において「特別な法的資格」が与えられているわけではないとされたが、このことについては金谷裁判官の意見にあるように、「政治的、政策的な選択の当否のレベルで議論されるべき」だと思う。