経産省キャリアインサイダー取引容疑

 産業再生機構を管轄する経済産業省には、職務上当然に機密情報が集まる。それを利用した不祥事だけはなんとしても避けなければならなかった。
 経産省にいれば、このようなインサイダーは誰もが考えることだと思う。実務の責任者である係長級には、とりわけナマの情報が集まるだろう。課長級以上のみを規制の対象にしていたのは、あまりに危機意識が少なかった。役人の倫理観なんて、信じてるのは誰もいやしないのだから。。。
 同省では、さっそく全職員を対象にした聞き取り調査を始めた。BSE問題の厚労省もびっくりの場当たり+極端な対応だが、結局金の問題は、違反者に対する罰則強化というムチで対応するのが最善の策だと思う。今回逮捕された人も、280万円で退職金その他諸々を放棄したのだから。

証券監視委、経産省係長をインサイダー取引容疑で告発
 経済産業省の現職キャリア官僚が職務を通じて入手した未公開情報を利用してチノン株を売買していたとして、証券取引等監視委員会は14日、同省地域経済産業政策課の中原拓也調整係長(31)=14日付で大臣官房秘書課付=を証券取引法違反インサイダー取引)容疑で東京地検特捜部に告発した。特捜部は今後、刑事処分を決める。

 キャリア官僚が職務上入手した企業秘密を悪用したとして、不正な株取引で摘発されたのは初めて。

 調べによると、中原係長は、同省情報通信機器課技術係長だった昨年1月、米コダックの国内子会社がチノン株のTOB(株式公開買い付け)をするとの情報を事前に入手。TOBの決定が公表される前の同月16―21日、自分自身の妻の名義で同株4万1000株を購入した疑い。 日経新聞(12:32)