年金を考えるきっかけの話

 高校生ぐらいの頃に「○○才以上の人は、年金もらうときに得をする」という話をおばはん連中からよく聞いた。これがどうにも腑に落ちなかった。
 そもそも、年金っていうのは積み立てていたお金を取り崩して支給するものと考えていたので、損得はないはずだ。確かに、互助的側面を持ってるから、支払う額に対して支給額が多い人もいるだろう。でも、それは一種の救済措置であり、決して得をするわけではないはず。
 なのに、毎月支払う額よりも、将来もらえる額(支給時から平均寿命をかけた額)は大幅に上回るらしい。おそらく物価上昇を考慮に入れた上での話のようである。
 それに対して、俺ら世代が支給を受ける頃には、大損するのは間違いないらしい。なんて不公平な。そんなあほな話あるかい。当然そう思った。
 同時にこうも考えた。それなら、少々親から援助を受けても、トータルで見れば変わらないんじゃないか。俺の損する分を親が得する分で補填すれば、損得無しになる。。。

 そんなことを思ってから焼く10年。数世代間に係る資産の再配分という問題提起は、まさに今日的な問題となった。