テレビ見る人見ない人

 中学生の時分、(今思えば大学を出たばかりぐらいの非常勤の)美術教師が自分はテレビを見ない、家に置いていないという話をしたとき、クラス一同信じられないと雄叫びをあげたものだが、大人になってみると意外にそういう人がたくさんいることに気づく。
 傾向として、職場にいる時間が長い人ほどそうである。しばらくそういう生活が続くと、馴染みのないタレントばかりになって面白くないらしい(深夜だから入れ替わりが激しい)。朝夜のニュースぐらいしか見るものがなくなるらしい。ちなみに、男性よりも女性の比率が高い(当人比)。
 学生時分と違い、職場でテレビドラマの話題をすることはほとんどない。オリンピックのような大規模なイベントがあったときぐらいである。世代を越えた共通項を作るテレビの力は確実に弱くなっているのではないか。
 しかし、四季報を見ると、テレビマンはなかなかリッチである。40代で1,000万クラスは普通である。それだけテレビ業界が儲かるわけで、それはイコール生活の中にテレビが大きな役割を占めていることを示している。
 一方、株式時価総額においては、楽天ソフトバンクのほうがテレビ産業より断然高い値がついている。株式時価とは、「成長力への期待」と同意義である。通信技術は格段に進歩し、コストも大幅に下がった。インターネット産業がハード面の整備から、いよいよソフト面、コンテンツ産業に本格的に参入する素地ができた。そこで起きたのがホリエモン事件ということになるようである。
将来、テレビとインターネットの融合ではなく、インターネットがテレビを吸収する時代が到来するのかもしれない。まぁそれを担うのがホリエモンではないとは思うけど。