<お手盛り退職金>都道府県は全廃へ 市区町村はなお温存

 定年退職する地方公務員の退職金の算定基準を上乗せし「お手盛り」と批判されていた「退職時特別昇給制度」が都道府県レベルでようやく全廃されることが総務省の集計から29日わかった。すでに長崎県を除き廃止され、同県も06年1月に廃止する。一方、市区町村は04年度末時点でなお約1200もの団体で温存されており、同省はさらに速やかな是正を働きかける。
 同制度は20年以上勤務した職員が定年となった際、退職金の算定基準となる基本給の支給額を1〜2段階引き上げ、退職金を上積みする仕組み。国家公務員で04年4月に廃止を決めたのにともない、同省は地方公務員についても廃止を求める通知を全自治体に出していた。
 そこで04年4月1日時点で制度を設けていた団体と、04年度末までに廃止した団体を同省で調べたところ、制度を持っていた2835団体のうち、1601団体が廃止した。東京都と香川県を除く45道府県で制度があった都道府県は、長崎をのぞく44道府県が廃止、同県も来年1月1日を境に廃止する。市区町村は政令指定都市13市で制度が廃止されるなど、制度があった2790団体のうち1557団体で廃止されたが、なお1233団体で温存されていた。【堀井恵里子】
毎日新聞) - 5月29日19時13分更新